看護学専攻について
■20世紀の後半,医学は遺伝子治療や臓器移植などの分野で急速な発展を遂げました。 また,医療の対象の人権尊重という視点での生命論理に関する問題への取り組みも行われました。看護学においても対象の生命と人権を尊重しながら,高度医療に対応する新たな看護学の構築が必要とされています。

■さらに,21世紀の我が国は少子高齢化社会が進行するため,子どもの健全な育成と母性の保護,成人期の人々の生活習慣が大きく関係している疾病への対応,高齢者とその介護者への援助などが要求されています。21世紀は人々の健康への希求がますます高まり,まさにケアの時代と称され,看護職のより一層の活躍が期待されています。

■看護が担うケアはヒューマンケアであり,人間誕生に至る過程から死を迎えるまでの一生涯において,健康でより良く生きることを援助する活動です。また,医学が病気の治療を中心としたライフサイエンスを担当する一方で,看護学は病人の療養生活の援助や疾病の予防・健康維持増進のための日常生活やセルフ・ケアの在り方を支援する活動であり,ヒューマンサイエンスであると言えます。

■したがって看護学には,多様な学際的知識と,看護の対象を全人間的に理解できる教育が必要とされています。このため,看護学専攻では看護専門職に必要な基礎的能力や自己学習力を養い,生涯にわたって成熟した人格作りを追及できる能力の育成を目的として,東北大学が貫いてきた知的探究と独創を重んじる精神風土に培われてきた総合大学としての特長を生かした全学共通科目を多く設置し,看護学の基礎的教育として人間理解を深めるための看護基幹科目を設置しました。

■そして,卒業時には将来,保健・医療の分野で活躍しうる看護師,助産師の資格が得られるように教育を行います。

看護学専攻の教育目標
  少子高齢化の進展や医療技術の高度化により,看護職員としての需要は増大していることから,全国的に看護職の量的な確保が求められると同時に,質の高い看護職の育成並びに質の高い看護実践を基礎づける看護科学の体系化が希求の課題となっています。そのため当専攻では,看護科学の教育研究の領域でリーダーとして活躍できる人材を育成します。さらに,国内外で保健医療看護の政策形成のリーダーとなり得る人材,科学的な知を開発・応用しつつ高度な看護実践を牽引できる人材の育成を目指します。
 そのため当専攻では,学部教育の早期からリサーチマインドを涵養するカリキュラムを有し,4年間を通して,問題解決能力,批判的思考力,独創的な知の構築に向かう学術的な創造力,国際的な発信力を高めることを目的としています。その過程で,ディスカッション,プレゼンテーション,論理的な文章構成力などのアカデミック・スキル,並びに倫理的洞察力も併せて養うことを目標としています。

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